2007年05月03日

「バベル」女子高生の制服が広げる性的イメージ

  ☆ このブログでは、映画のお薦め度をキーワードで示しています。
  キーワードは「考えさせる」「元気がわく」「役に立つ」「視野が  広がる」「楽しめる」です。 

「考えさせる」「「役に立つ」「視野が広がる」
 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。知るヒトぞ知る、通好みの監督である。その監督の映画に無名の日本人女優が出演し、アカデミー賞にノミネートされた。そのために話題作としてGWに公開され、スカッとしたハリウッド映画が好きな人も観に行くことになり、一部で大ブーイングを浴びている映画である。

 モロッコ、メキシコ、日本の三つの国で起きる物語が、時間的に前後しつつ進む。全体として、富める国の傲慢さが体感できる映画だ。同じメキシコを描いても、アメリカ人とメキシコ人とではこうも視線が違うのかと驚かされる。画面から肌触りまで伝わってくる。総じてアメリカを相対化した視点が秀逸で、それが高評価につながったのだろう。

 問題は日本のエピソードである。出て来るのは高層マンションや渋谷。そしてクール・ジャパンの若者たちだ。菊地凛子演じる聾唖の女子高生は、精神にダメージを受けているがゆえに、奇怪な行動をする。非難のほとんどはここに集中している。

 確かにあり得ないほどひどい内容で、日本女性としてはここまでして欲しくなかったし、脱げば体当たり演技なのかという疑問もある。また、どの批評家も当たり前のようにこの部分を肯定し、全く触れていないのにも違和感がある。本当に何とも感じていないのだろうか。

 しかし、日本の女子高生がこう描かれるのも無理はない。あの短いスカートは異常だ。それを社会が容認・・・というより商品化し、商売のネタにしている。性的にルーズな行動を引き出す要素として使われても仕方がない。

 この描き方を怒っている人も、モーニング娘。が女子高生の制服をベースにしたミニスカートで踊っている様子を、何なく受け入れているはずだ。そういう私たちの社会を、客観的に見るいい機会である。モロッコのエピソードも、モロッコの人が観ると不快なのではないかと思う。
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 20006年メキシコ映画 配給・ギャガ
posted by zeroko at 22:03| Comment(2) | TrackBack(1) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あらゆる制服はエロティックにできている。女子高生、フライトアテンダント、看護師、巫女……が妙に男性陣に人気があるのは、同じ制服を着ているので、各人の肉体的特徴が理解されやすいからだ。アメリカ人女性の間では消防士の人気が高い、という調査報告もあったような気がする。
Posted by Lexar at 2007年05月04日 08:47
私のブログ「パッチギ2」にTB、コメント、ありがとうございます!
「バベル」は未見ですが、「脱げば〜」以下の意見には同感です。
といいつつ私も男である以上、女性の性を消費対象とする表現媒体にまったく見向きもしないかといわれると胸を張れない部分もあり、つらいところです(モーニング娘など、十代以下の女性には興味ありませんが。といったところで、「だから何?」ですよね)。

私の持論ですが、「原始時代、男の価値はマンモス(食料)を多く狩る能力、つまり武力を基準に高低が定められた。
対して女性は、美貌で。
男の価値とされた武力がいつまでもチヤホヤされると、平和にならない。よって、武力の代わりに経済力などに基準をシフトせざるを得なかった。
対して女性の美貌は、それを基準にし続けても平和を直接害すことはない。
そのため、女性の価値が定められる基準が、今も原始時代とあまり変わってない」
というもの。
本当の意味で性差別をなくすには、男女共に、知性や精神的成熟度に価値が置かれる、そんな世の中になるべきかな? と。

って、偉そうに長々書いてしまいましたが、私自身、知性にも精神的成熟度にも自信なんてありません(汗)。
初投稿での長文、大変恐縮です。
Posted by RYUYA at 2007年06月12日 04:38
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Tracked: 2007-07-12 15:08