☆ 視野が広がる
中国映画の第五世代が、文化大革命批判という現代史見直しもので世界に登場、絶賛を浴びてから二十数年。ニューウェーブを担った陳 凱歌(チェン・カイコー)、張 芸謀チャン・イーモウらは大家となって大作をつくっている。商業的成功の代償としてのハリウッド化だ。まぁ政府との関係もあるし、大家が小品ばかりつくるわけにもいかないし、難しいところだ。
しかし喜ばしいことに、次のインディーズ世代がまた佳作を送り続けている。その代表格である賈樟柯 (ジャ・ジャンクー)の新作。昨年度のベネツィア映画祭金獅子賞受賞作である。
万里の長城以来の大工事と言われる、三峡ダムの建設によって沈む周辺の村と二組の男女、そして周囲の人々の物語だ。淡々と進む解体工事、思わぬ事故で犠牲になる若者、衣裳をつけたまま携帯ゲームに熱中する京劇役者と、中国の今が効果的に視覚化されている。
三峡下りの船内では、毛沢東や?小平の映像に合わせて、「三峡ダムの建設は共産党の大事業」という甲高いナレーションが流れる。その積年の夢が、市場経済化によって実現するという皮肉。豊かさへ向けてひた走る隣国の姿に、東アジアの近代化という難問を見る思いだ。
2006年中国映画 配給:ビターズエンド=オフィス北野
☆ お薦め映画ブログ
インディーズ最高のバンド ソウルフラワーユニオンのボーカル
中川敬のブログ「シネマは自由をめざす」
https://sv79.xserver.jp/〜ads405/breast.co.jp/soulflower/nakagawa/cinema/index.html
2007年09月25日
2007年09月03日
「ベクシル 2077ー日本鎖国」奇妙なリアリティー
☆ 楽しめる
2067年、ロボット産業で世界市場を席巻していた日本は、国際協定違反を指摘されると国連を脱退。世界に背を向けて、ハイテクを駆使した鎖国体制に入る。そして10年、日本で何が起きているのか。
昭和8(1933年)の国際連盟脱退を意識した大胆な設定。春にこれを知ってとても驚き、以来ずっと楽しみにしていたアニメだ。ありえないはずの設定に奇妙なリアリティーがあるのは、やたらにナショナリズムが高揚しているせいか。
設定が大胆なら結末も衝撃的。スラムの細かい描写など見せ場も多く、一見の価値がある。女二人の友情も素晴しい。ただこういうアニメの常とはいえ、女性が武器を取って戦うことには違和感がある。それと、やはりフルCGはちょっと観にくい。
2067年、ロボット産業で世界市場を席巻していた日本は、国際協定違反を指摘されると国連を脱退。世界に背を向けて、ハイテクを駆使した鎖国体制に入る。そして10年、日本で何が起きているのか。
昭和8(1933年)の国際連盟脱退を意識した大胆な設定。春にこれを知ってとても驚き、以来ずっと楽しみにしていたアニメだ。ありえないはずの設定に奇妙なリアリティーがあるのは、やたらにナショナリズムが高揚しているせいか。
設定が大胆なら結末も衝撃的。スラムの細かい描写など見せ場も多く、一見の価値がある。女二人の友情も素晴しい。ただこういうアニメの常とはいえ、女性が武器を取って戦うことには違和感がある。それと、やはりフルCGはちょっと観にくい。

