2007年08月08日

「怪談」 和の美が楽しめて、一重まぶたの良さがわかる?!

☆ 楽しめる 

 ジャパン・ホラーの担い手の一人、中田秀夫監督の新作である。世界50カ国に配給が決まったのは、「リング」の成功によるものだろう。本格的な怪談が映画化されるのは久し振りなので、楽しみにしていた。私が子どもの頃は、夏になると「四谷怪談」「牡丹灯籠」「番町皿屋敷」などの怪談がテレビで見られたものだが。
 
 それなりに楽しめた。恐さよりも和の美を楽しむ映画。室内を照らすほのかな明かり、涼やかな風鈴の音、百万都市・江戸の町に上がる花火など、情緒たっぷり。葬列のシーンなど、つなぎの場面が美しく撮られている。
 
 尾上菊之助の顔と身体に滲み込んだ歌舞伎の型も、一見の価値アリ。皇室と梨園は、ああいう顔を消滅させないのが存在意義かもしれない。二重まぶたでは魅力半減だ。日本女性もそろそろ、メークの方針転換をしたらどうか。
 
 女優たちの和服姿も美しいが、ヒロイン黒木瞳は今風の細身なので、下半身に難あり。もう少し歩き方に工夫が欲しかった。それと、悪しきタイアップで主題歌を浜崎あゆみが歌っていて、せっかくの余韻が台無し・・・というより、全てを崩壊させている。まさかこのまま世界に配給するんじゃないよね。
 
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2007年08月03日

ドキュメンタリーの秀作二つ 「TOKKO-特攻」と「選挙 CAMPAIGN」

☆ 考えさせる 役に立つ 視野が広がる 
 レディースデーと映画ファンサービスデーが重なった一昨日、渋谷ドキュメンタリー映画を二本観た。「TOKKO-特攻」と「選挙 CAMPAIGN」である。映画ファンにとって、渋谷はミニシアターの街だ。

 「TOKKO-特攻」はシネラセットで。定員40人の愛すべきミニシアター。その辺から持ってきたような椅子が置いてあって笑える。34歳の日系アメリカ人女性が、日本人も知らない神風特攻隊員の実像を、証言と記録映像で見せる。

 アメリカ製ドキュメンタリー特有の、たたみかけるようなテンポで飽きさせない。「生きたかったよ、死にたくはなかったよ」という元特攻隊員の言葉が印象的だ。ちなみに、元特攻隊員だったということは誰にも言っていないそうだ。

 「選挙 CAMPAIGN」はシアター・イメージフォーラムで。ここは割引をしていないので、109の中にある「ぴあ」で前売り券を買い、宮益坂へ。一昨年の川崎市議会補欠選挙に、公募で選ばれて自民党から出馬した男性の奮戦記。ドライな今どきの40歳が、妻をわざわざ「家内」と呼び、たすきをかけて神輿をかつぐ。ドイツでの上映では爆笑も起きたとか。

 草の根保守の本質がわかる。子どもの頃から私を悩ませてきた、非合理と理不尽のスパイラル。でも、それを否定しては成り立たないのが選挙だ。現実の厚い壁の前に、舶来の近代合理主義は負けつづけてきた。土着の民主主義をどう構築するかは明治以来の課題だ。私たちはそろそろ、本気でこの問題に決着をつけなくてはならない。
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